2021.12.24 CATEGORY:コラム
師走を迎えて、毎年恒例であるが、今年の振り返りを行っていきたい。
2021年は年始が緊急事態宣言下という非常に厳しいスタートとなり、そのまま1月、2月と低調なまま推移をした。3月に入ると、一部緊急事態宣言が解除されて後半になるにつれて、春休みとも相まって需要は増加していった。だが、4月に入ると、3度目となる緊急事態宣言が発令されることとなった。しかしながら、この頃には「緊急事態宣言慣れ」とも受け取れる消費者動向が見受けられ、これまでのような雪崩を打つようなキャンセルにはならない状況となった。
GWも2年連続の緊急事態宣言下となったが、昨年とは異なり、ある程度の需要が発生したGWとなった(とはいえ、コロナ前水準で比較すると低迷したことは言うまでもない)。
GWが明けての6月は、そもそも閑散期に当たるエリアが多いため、引き続き低調に推移して、冬季同様に休館措置をとる施設も多く見受けられた。そして、7月に入り賛否あったもののオリンピックが開催されて、この頃になると県民キャンペーンも県によっては実施され、少しずつであるが夏休みに向けて、マーケットの上昇が見られた。
ところが、8月の前半から急速に感染者が拡大し、お盆を線状降水帯が直撃したこともあり、ふたを開けてみれば昨年よりも厳しい夏となってしまった。夏に大きな収益を見込んでいた観光業界にとってこれは非常に大きなダメージであった。引き続き9月になっても新規感染者数は収まりを見せず、非常に低調な推移となった。
そして、この辺りから記憶にも新しいかと思うが、9月中旬あたりから急速に感染者が減少し、それに呼応するかのようにリベンジ消費が起き始め、10月、11月と個人のレジャーの動きはコロナ前水準に近いほどに回復を見せて今に至るという状況である。
昨年もであったが、結局、今年もコロナに振り回された1年となってしまった。2年続いたことで、もはやコロナが収束すれども、完全に元の状態に戻ることはないと思われる。
次号では新たな年を迎えるにあたり、今起きている現象からアフターコロナの宿泊業界に何が起こるのかをひも解いていきたいと思う。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)
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