2023.05.12 CATEGORY:コラム
全国旅行支援が4月以降も延長されることになったものの、全国で続々と終わりを告げている。想定よりも早いものの、いつまでも支援に頼るわけにもいかないので、頭を切り替えていく必要がある。旅行支援が終わったエリアでも極端に予約状況が落ちたということはあまりなく、いわゆる反動は最小限にとどまっている印象である。
さて、そういう意味では今年度は新型コロナによる制約ない&旅行支援もない、宿それぞれの実力が問われる年になりそうである。どのようなことが起こり、どのようなことに気を付けないといけないのかを見ていきたいと思う。
まずはエリア的な観点であるが、インバウンドが活発なエリアは、今のところ大きな心配は不要である。実感としても、先々まで海外ゲストの予約が好調に入ってきており、コロナ前の状況に戻りつつあると感じられていると思う。
それに加えて、最大マーケットの中国ゲストが今後、急速に戻ることが予想されており、都市部を中心にインバウンド需要はしばらく安定的に存在すると想定される。
続いて、インバウンドの恩恵がさほどないエリアであるが、(多くの温泉地はどちらかというとこちらに分類されるかと思うが)全国旅行支援が終了したからといって、安易な値下げ策は避けるべきである。ここ最近で起こったコストアップを加味すると、コロナ前と同じ価格で売ることができないことは明白である。恐らく周囲の宿も同じ状況であると思うので、冷静になって価格戦略は立てるべきである。
そして、最後の観点は、人手が確保できるか否かである。今後は人手が確保できるか否かが、宿の運営力に関わってくる。くどいようであるが、採用をマーケティングととらえて集客と同じくらいのパワーを割く必要がある。加えて、前号でも触れたAIを含むテクノロジーは積極活用すべきである。
幸いにして、夏の予約はコロナ前を彷彿(ほうふつ)とさせるスピードで入ってきているので、ここはコロナ前に頭を戻してレベニューコントロールする等の対策が必要である。コロナ前後で変わった事象、変わらない事象に分けて対策を打つことが大事である。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)
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