2025.12.19 カテゴリ:Webマーケティング

コロナ禍を経て、国内外の宿泊需要が回復する中、多くのホテル・旅館が「直販比率を高めたい」という意識を改めて強めています。
一方で現場を見ると、OTA、自社Web、広告、SNSといった各施策が個別最適のまま運用され、それらを横断して売上全体を設計できていない施設も少なくありません。結果として、本来は相乗効果を生むはずのチャネル同士が、十分に連携できていないケースも見受けられます。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、単なるツール導入ではなく、販売チャネル全体を俯瞰し、自らコントロールできる体制をつくるための仕組みづくりです。その鍵となるのが、「データ」「運用」「組織」の3つの変革です。
現在の宿泊市場において、消費者はポイント経済圏による利便性や、集客力に裏打ちされた信頼性、比較のしやすさといった理由から、複数のチャネルを使い分けながら予約を行っています。こうした消費者行動は、市場環境として定着しており、短期的に変えられるものではありません。
このような環境下では、宿泊施設側のマーケティングも、複数チャネルを前提とした設計が求められます。しかし実際には、チャネルごとに施策や数値が分断され、全体を横断して顧客を理解・活用するための「軸」が持てていないケースが多く見受けられます。
いつ、誰が、どんな目的で、どの経路から予約したのか。
こうした顧客行動の全体像を把握できなければ、再来訪の促進やLTV(顧客生涯価値)の最大化につなげていくことはできません。だからこそ、マーケティングの核となるデータをどこに集約するのかという視点が重要になります。
その中心となるのが、自社Webです。施設の世界観や体験価値を最も深く伝えられるだけでなく、顧客データを自社の意思で蓄積・活用できる唯一の接点でもあります。自社Webを起点にブランドとデータを育てていくことで、中長期的に広がりのあるマーケティング基盤を築くことが可能になります。
自社サイトでブランドを語り、顧客データを自社の意思で蓄積・活用できる仕組みを持つこと。
それが、直販比率の向上にとどまらず、すべての販売チャネルを成長させるためのDXの出発点です。
宿泊予約、問い合わせ、メルマガ登録など、バラバラに存在する顧客情報を統合し、「1人のゲスト像」を描ける状態にすることが第一歩です。
CRMやMA(マーケティングオートメーション)を活用し、顧客の滞在履歴や興味関心をもとにプランを最適化する。
「誰に」「どんな価値を」「どのタイミングで」届けるかを、データから設計できる体制が理想です。
こうした顧客理解は、直販施策だけでなく、OTA上でのプラン設計・写真・訴求コピーの最適化にも活かすことができ、
結果としてOTA経由の予約単価やCVR向上にもつながります。
自社サイトは“完成物”ではなく、直販・OTA・広告・SNSをつなぐマーケティングの司令塔です。シーズンや需要に応じてTOPページを調整し、ABテストでCTA(予約導線)を改善し続ける。SNSやLINEと連携し、Web・広告・予約をシームレスにつなぐことが重要です。
アビリブでは、こうした運用をWebサポートチームで支援しているほか、「abi-Booking(アビブッキングby予約プロクロス)」「abi-Conversion(アビコンバージョン)」などのツール群を通じて、宿泊施設のWebを“変化に強い販促プラットフォーム”に進化させています。
自社Webで蓄積したデータや検証結果を、広告運用やOTAの販売設計にも反映していくことで、すべての集客チャネルの成果を底上げすることが可能になります。
直販比率を持続的に高め、あわせてOTAや広告を含めた売上全体を伸ばしていくためには、マーケティング活動を宿泊施設自身で把握し、PDCAを回せる状態をつくることが不可欠です。
理想を言えば、すべてを施設内で完結できるのが望ましいものの、マーケティングやデータ分析は、ホテル・旅館の本来のサービス業務とは異なる専門領域でもあります。
そのため実際には、「リソースが足りず継続的な改善ができない」「客観的な視点でのアドバイスがほしい」といったご相談を多くいただきます。
弊社では、データ分析・コンテンツ更新・広告運用を分業で切り離すのではなく、ひとつのチームとして連携しながら運用する支援体制を構築しています。直販施策にとどまらず、OTAや各種集客チャネルの成果も含めて可視化・改善する外部パートナーとして、宿泊施設のマーケティングDXをサポートしています。
DXとは単なるデジタル化ではなく、「販売と運用を自社で制御できる組織に変わること」です。ツールはあくまで手段であり、目的は、自社Webを起点に、直販・OTA・広告を含めたすべての売上を最大化できる経営構造をつくることにあります。
これからの宿泊施設におけるDX成功の条件は、顧客データの活用、運用体制の最適化、そして現場と経営をつなぐ意思決定の仕組みづくり。その3つが揃ったとき、直販比率の向上だけでなく、OTAを含めたすべての集客チャネルの成果が底上げされ、ブランド価値も中長期的に高まっていきます。
「直販比率を高めるDX」とは、直販だけを伸ばすための取り組みではありません。
自社Webを軸に、すべての販売チャネルを正しく機能させ、売上全体を成長させていくための経営変革なのです。
DXは、ツールを導入して終わるものではなく、「成果が出るまで運用し続けられる体制」をつくってこそ意味があります。
abilibveDX は、宿泊施設が自ら売上を伸ばし続けられる状態を目指すDXソリューションです。
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