2023.12.01 CATEGORY:コラム
11月6日にAI(人工知能)のパイオニアOpenAIが新機能のリリースを行った。以前にもお伝えしたがAIは今後、全産業および生活に大きな影響を及ぼす可能性が高いので、引き続きその動きを観測していきたい。
まず、GPT―4のバージョンアップ版としてGPT―4 Turboが登場することになった。これまで2019年9月までの情報を基にして回答していたものが、23年4月までの情報を基にして回答ができるようになった。ただし、ChatGPTの使い方としてはリアルタイムで最新の内容を問うよりは、企画案を練る(壁打ち相手にする)や、文章を考えるといった、汎用的なものの方が使い勝手がよいことは引き続き変わらない。前回も触れたが、クチコミの返信などは実に上手な回答を出してくる。
次に発表されたのは、カスタムされたChatGPTが簡単に使えるようになった、という内容である。どういうことかというと、「特定の課題の解決に特化したChatGPT」が手軽に使えるようになるということである。もっとかみ砕くと、「A旅館という固有の情報を覚えこませれば、A旅館のフロントの代わりに宿泊者の質問に自動応答してくれるチャットボットを『誰でも簡単に作れる』ようになる」という事である。これは人手不足に困る宿泊業界にとっては朗報であろう。
そして、最後は開発者向けなので、直接的な関連はないが、デモで紹介されていたのが、たまたま旅アプリ「Wanderlust」というものであり興味深かった。このアプリで予定した旅行先(デモ上はパリであった)で可能なアクティビティを尋ねると、即座に10個のアクティビティを表示し、且つどこでできるかも地図上で表示をしていた。さらに飛行機やホテルの予約情報を入力すると、旅のしおりのようなものまで自動生成していた。つまり旅行計画が一瞬で出来上がったのである。
Expediaの発表によると、旅行計画をする際にAIを使ったことがあると回答した人がアメリカでは51%にも及ぶという。日本ではわずか6%に過ぎないが、グローバル全体では30%と、徐々にその傾向は増えつつある。近い将来、旅行計画の立て方そのものを変える可能性もあるので、やはりAIについては引き続きキャッチアップを続けて欲しいと思う。
(株式会社アビリブ・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)
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