2021.09.24 CATEGORY:コラム
8月23日の有識者会議で「宿泊利用者向けのカミソリや歯ブラシ、くしなど使い捨てプラスチック製品12品目を多量に提供する事業者に対し、使用削減を義務付ける」という方針が決まり、来年度の4月1日から施行される予定である。
環境問題に対する取り組みは近年、世界中で高まっており、環境問題を無視した企業活動は数年のうちに成り立たなくなる可能性すらある。数日前にコンビニのドリンクコーナーを見ていたら、「このペットボトルは環境に優しい100%リサイクルの新ボトルです」と製品名くらいの大きさで印字されていた。つまりそれが重要なメッセージになるという企業側の意向があるということであろう。
冒頭に記載のとおり、この流れは宿泊業界にも確実に流れ込んでくる。正直、今の全体的なムードは「環境配慮は、やらなければいけないとは分かっているけど、何をしたらいいの?」や「やらなければいけないと分かっているけど、それは売り上げにつながるの?コスト削減になるの?」という印象を受ける。
まずは、何をしたらいいの?という問いに対しては「SDGs(持続可能な開発目標)」という国連で設定された目標を参照するとよい。環境問題のみを取り上げているわけではないが、世界全体が持続可能な発展を遂げるためになすべきことを掲げているので、参考になるはずである。
続いて、売り上げにつながるのか?コスト削減になるのか?というビジネス上の問いに対してであるが、これはシンプルに「環境に配慮していない企業からは物を買わない」という層がおり、特にミレニアル世代(1981年以降生まれ)やZ世代(1990年後半生まれ)に多いとされている。つまり、冒頭のペットボトルの例のように、購入するなら環境に配慮されたものを買おうとする購買行動である。
日本では、まだ始まったばかりという印象であるが、海外の一部の宿泊予約サイトには既に環境問題に対応しているかを確認する設定項目もあり、ホテル旅館において重要な情報として認識をしている印象を受ける。
今後、確実にこの流れは強まっていく。環境問題に対して無知では済まなくなってくる。こちらもアフターコロナに向けての重要な取り組みになるので、今のうちから少しずつでも取り組みを始めてほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)
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