2020.02.14 CATEGORY:コラム
今号では、これからのホテル旅館業界のITやWEBついて述べたいと思う。前号同様に多分に主観が入った内容ではあるが、ご容赦いただきたい。
キーワードは、「パーソナライズ化」「直販」「労働生産性の改善」という三つを取り上げたい。
「パーソナライズ化」についてであるが、今後、全てのeコマースは「その人にとって最適な商品は何かをAIを中心とした機械が判断し、提案する」形になっていくと予想される。
例えば、沖縄に旅行に行くときでも、AさんとBさんの見ている商品ラインアップは異なるという状況である。
海外OTAや国内OTAの一部でも既にこの方式が採られており、ビッグデータやAIの発達により、成約率を上げるために、個々に合った最適な宿泊施設の提案をするようになると思われる。
逆に言えば、狙ったターゲットへの提案施設となれるように、差別化要素を強めていかねばならないということでもあり、前回の「脱コモディティ化」に通ずるものがある。
続いて「直販強化」であるが、これは年末に振り返ったように、最低価格保証制度の撤廃と共に宿泊施設の間で直販強化の意識が改めて高まった。
直販を強化するということは、すなわちホームページ上からの予約を強化することに他ならないので、改めてホームページの導線設計や使い勝手などを見直してみてほしいと思う。
最後に「労働生産性の改善」であるが、この点においてWEBでできることは、いかに電話を減らすことができるかという点である。
いわゆる「WEB接客」とされる分野であるが、Q&A(よくある質問)がきちんとしているか、お客さまが知りたい情報がきちんと掲載されているか等をチェックすべきである。
最近では、電話によるお問い合わせを軽減するために、電話ボタンをQ&Aボタンにして、電話の前に質問事項が既に掲載されていないかを確認いただき、それでも分からない場合は電話をしてもらうという設計に変える施設も出ている。
人の代わりにロボットが質問に答えるチャットボットも今後は有効な手段となっていくであろう。
ITやWEBの進化は早いので、新しい情報が出たら、逐一チェックし、自施設に役立てるか検証が必要である。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)
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